やっぱり、好きだ。

 
 どうしたら昔の過ちを言わなくて済むだろう。自分の過去を隠してみんなと仲良くしたいなんて、虫が良い話だと思う。分かってる。でも、みんなに嫌われたくない。

 「・・・えっと」

 言葉が続かない。この場を切り抜ける方法が浮かばない。

  「高村先生と知り合いだったの?? なんで教えてくれなかったの??」

 桜井先生が、答えあぐねる私ではなく、青山くんに詰め寄った。

 「聞かれなかったから」

 サラっと返す青山くん。ホっと胸を撫で下ろす。青山くんが口を開こうとする度に気が気ではない。なのに、

 「サヤ子センセって大学時代どうでした??」

 安田まで青山くんに話を降り出した。

 「私の話なんて全然面白くないから!! 地味で目立たない学生だったし。安田の大学時代はどうだったの?? チャラかった??」

  青山くんに投げかけられた話題を横取りし、無理矢理安田の話にすり替えようとするも、

 「サヤ子は実は英語ペラペラ」

 教師をいう職業柄なのか、自分に質問された事はきっちり答える青山くん。

 しかし、その回答、虚偽でしかない。英語は確かに好きだった。でも、ペラペラとは森田くんが話す様な英語であって、私はどうにかこうにか意志疎通が出来る程度だ。