やっぱり、好きだ。


 「・・・K大だよ」

 それでもやっぱり言いたくなくて、ボソボソと小声になる。

「え!!? サヤ子センセも!?? あれ、2人ってタメだよね?? 面識無かったの??」

 やはり安田に拾われた。・・・面識、無かった事にしてもバレないだろうか。打ち合わせなしの私の嘘に、青山くんは乗ってくれるだろうか。・・・無理だ。だって青山くん、お酒2缶以上は空けている。下手に嘘なんか言ったら、逆にあの過去をバラされ兼ねない。

 「・・・青山先生の事は、K大のみんなが知ってたんじゃないかな。すごくモテてて有名だったから」

 我ながら上手く切り返せたと思った。・・・のだが、

 「なんかその言い方だと、俺の方がサヤ子の事知らなかったみたいじゃん」

 サヤ子の後に『先生』をつけ忘れている青山くんは、結構酒が回っているのだろう。

 「え??」

 他の3人の視線が私に集まる。