やっぱり、好きだ。

 
 「黙れチャラ男!!」

 恥ずかしさの余り、安田を置き去りにして走った。・・・が

 「イヤイヤイヤ。俺が女子より足遅いわけないじゃん」

 すぐに追いつかれ、肩を掴まれてしまった。足遅すぎ。

  余計に恥ずかしい。

 「もうやだもうやだよー。昔はもっと早く走れたのに。足だってもっと上に上がってたのに。加齢のせいだよ。ばばぁだよ。ばばぁやだよー。ばばぁだから帰りたいよー」

 羞恥の余り、わけの分からない事まで口走る始末。

  「サヤ子センセはばばぁじゃないよ。ばばぁじゃないから帰っちゃだめだよ。つか、何。ばばぁだから帰りたいって。どんな理由だよ」

 私に突っ込みを入れながら、お腹を抱えて笑い出す安田。

 何から何まで恥ずかしい。