しばらく続いた、林さんとの会話は
"Chea"とかいうミュージシャンが
テレビに登場した途端
ケータイの通話と一緒に、切れた
「 どうした…? 」
ハルトさんが
ギィ と、椅子を少し回して
気遣う声を、私にかけて来る
私も ハルトさんがいる光の方へ
すがるみたいなキモチで 顔をあげた…
――― これは、あくまでも想像だ
…あまりにもコワイ想像を勝手にして
勝手に震えているだけ…
"事故だったんだ"って
何時間も経たない前に
聞いたばかりじゃないか…!
――… それでも私は
ハルトさんの口から直接
そのコトバを聞きたくて ―――
ツカツカと走り寄り
シャツの襟元を強くつかみ
両手で思いきり、その体を揺さぶる
「 ……彼女に
… サエキリツコに
――― 手…
…かけてないんですね?! 」


