道案内の看板
元は高く伸びた植木と
たくさんの放置自転車が並び
四角く囲まれていた植え込み
今日は定休日らしく
シャッターが閉まっているけど
その真ん前に、ちいさなカフェがあって
そこからのスポットライトが
ちょうど、木の根本部分を照らしてる
… 多分、これの熱が
遺体の腐敗を早めて
推定時刻を狂わせたんだ ――――
でも、なぜこんな場所に来たの…?
パレードの時の駅前は
特設会場も出来てて
かなりの広範囲、立入禁止だった
でも平日なら
確かにここも、人通りはあるけど
駅前でやる方が普通なのに…
「 ね、ねえ ごめんね?!
だ… 誰か一緒にいた?! 」
「 ――― 誰か
っていうか、たくさん人いました 」
「 … そ… そうだよね
あの…!!
その時、男の人見なかった?
―――… 背は…わからないけど
私より高くて、かなりキレイな…
ううん
笑い顔が、雪みたいっていうか…! 」
「 え ――… えっ?! 」
「 …… ちょっと!!
もうしつこくするの止めてくれる?!
皆帰るって言ってんだから
もう関係ないでしょ?! 」
リーダーのコが、目をむきながら
私と二人の間に 割って入った


