――… 駅まで、その三人を送った
リーダー格の一人は
ずっと押し黙って仏頂面
一番幼いカノジョは
補導されたという事実に
かなり真っ青になって震えていて
中間地点の立ち位置っぽい女の子は
実は、この状況に少し
ホッとしている様だった
「 じゃあ 気をつけてね
―――― 後これ、私の名刺
何かあったら
最寄りの交番でも良いし
相談だったら、いつでも乗るから 」
「 はい …すみませんでした… 」
「 …… でした 」
「 …―― つか、
アタシこれから
カレシと約束あるんですけど 」
名刺を受け取り
足早に改札口に向かおうとする
他の二人とは逆に
リーダーのコは
視線を斜めに向けたまま
そんな事をボソリとつぶやいた
「 カレシさんかあ… いいなぁ
でも、もう夜遅いよ? 」
「 …カレシ、成人してますし〜
オトナだし、保護者ってカタチなんで…
カンケー無いと思うんですけど… 」
「 あっ… あの!
ホントーです!
マミちゃんのカレシさんって
私何回か会ったコトあるんですけど
発言かなりカッコよくて
チョーイケメンで…王子様みたいっていうか〜 」
その援護のコトバで
リーダーのコは、誇らしげに笑い
私を一瞬、その表情のまま睨んだ
「 イケメンいいね〜 羨ましいね 」
「 ですよね〜? やっぱ… 」
「 でも、本当の王子様っていうのは
――― 好きなヒトのコトを
ちゃんとお家や、…安全なトコに
帰してくれるヒトだと思うよ? 」


