ドアを大きく開いて ―――
倉庫から出ようとした時
スウェットのポケットから着信メロディー
「 …あっ ごめんなさい! 」
慌てて取ってはみたモノの
ボタンを押す前に、すぐに切れてしまった
音でわかってたけど
――――… お父さんだ
「 クラシックなんて、シブイじゃん 」
「 あはは そうっスか?! 」
これはお父さんが好きな曲で
ケータイ買った時すでに入ってたから
ちょうどイイし、着信にした…
「 え〜 でもさ〜
最近クラシックが舞台のドラマ
結構多くね? 流行ったし〜 」
「 マジで? 知らねえー 」
「 お前、夜シゴトだからな〜 」
「 あー 流行りから遅れてんよー 」
二人はゲラゲラッと笑って
私が動くのを待っていてくれる
「 ――… 二人が帰って来たら挨拶して
私も、帰りまっす! 」
「 … うん それがいいよ 」
「 はい 」
「 ―――― あ 」
いきなり、電球が切れた


