東京+ラブクラフト







「 暗いから、気をつけてね 」



「 はい! 」



「 電気のスイッチどこだっけ 」





初めて話す二人と
広間から横に曲がった廊下
さらに短い階段を下って
倉庫みたいなトコにやって来た



鍵をガチャガチャ開いてスイッチを着けると
薄明るい、ぼーっとした電球が燈る

天井近くに窓があって
部屋の広さは そこそこあるんだけど



棚や箱、板の切れ端とか
雑多なモノが、かなり置かれていて
学校の倉庫と、あまり変わらない感じだ





「 米も、ちょっと持ってく? 」



「 かな〜 」





「 ――… うわっ?! 何だよコレ!! 」



「 どしたっ?! 」



「 どうしたんですかっ?! 」





突然、一人がそんな声をあげて
後の二人で、一斉に振り返った




新聞や雑誌の束
その後ろに、小さな麻袋

見るとそばに一個
何かがコロンと、淋しく転がってる






「 ――…あっちゃ〜
ネズミだろうな〜 これ〜 」



「 ネズミぃ?!

おととい昨日と、俺ここ来たけど
なんもなってなかったぜー

つか それっぽいなら、直で触んなよ〜 」





ガッツリかじられ、原型留めてないジャガ芋を
"あ〜あ"って顔で、ホウキで片してる





「 じゃあこれ
移動させた方がいいっスよね? 」



「 だね

――― あ! かたじけない

そっちはいいや 古いんだ
こっちだけ、お願いいたす〜 」



「 あ はいっ! 」