「 どっ どれだ?! 」
「 そこの壁際 ―――
バックと制服あるトコに
たたんである紺色の
――― はい!! それっス!!
ありがとうございまっす!! 」
堀をまたいで
窓に足をかけようとしたけど
ちょっと、距離的にムリっぽい
「 投げんぞ〜? いいかぁ?! 」
「 はいッ!!」
格子の間から ねじ込んでもらい
コートは見事、堀の上を飛行して
私の元へと飛んで来た
「 ナイスキャッチ!! ―― あ 」
何か下の方で、カシャンと音がした
「 うあっ 悪い!
ポケットの中 なんか入ってたか?! 」
「 えっ… あ 」
慌ててコートを漁る
大事なモノ
ケータイ、財布くらいしか入れてない
確かめると、それは両方あった
――― 鉄の格子に
ボタンが当たった音かもしれないし
もし、なんか落ちたんだとしても
後から取りに行けばいい ――――
「 平気っス!!ありがとうです!!
――― ルウちゃん!!! 」


