私は、小さい時から
外で遊ぶのが好きで
外から帰ると いつもママの笑顔があったし
部屋には明るい電気がついてて
それは、当たり前のコトだった
親戚の人達が
"こんな小さいのに可哀相"とか
"いくら元刑事って言っても
夫かばって亡くなるなんてなぁ"とか
イロイロ話してるの聞いてたけど
あんまりよくイミ、分からなかった
それからしばらく丸さん ―――
お父さんの親友
丸山さんの家に預けられてて
クリスマスの日がやって来た
なのに
どうしてママがいないのか
突然、ギモンに思って
丸さん家を抜け出し
どうやって帰ったのか、アパートに戻り
誰もいない、ただ真っ暗な 部屋の窓
それを見た時 私は初めて
"ママがいない"という事実を
ホントのイミで 理解したんだ …―
「 … 行ってやりぃや ハルトくん 」


