――――― 擦り合う金属音 自転車が倒れて行く激しい音に やじ馬も、乱闘していた視線も どよめきの後、一斉に静かになって 何事かと振り返り なのにそんなコトは まるで関係ないみたいに 肩にはキュー、ジーンズの脚が 『 よいしょっと 』とガードを越え リズムを付けて 走り出した ――― そして 柔らかな雪みたいに 静かな笑みを浮かべていた表情は 一瞬にして 楽しそうに口の端を上げた 氷の微笑に 変わる ――――――