東京+ラブクラフト











独りでやってたオジサンと
一緒してたハルトさんが
様子に気付いて声をかけても
ルウちゃんはジッと、前を見てる






怒声が挙がる度に、ピクリと動く 体 ―――





「 … 少しルウを、見てて貰える? 」





「 はい!

――… え って、ハルトさんは…? 」





ハルトさんは窓を開け
ダイレクトに騒ぎが聞こえて来る中
下が見えないコトが分かったのか
すぐにガラリと、窓を閉めた





「 ――― 行って来る 」





ハルトさんの着てる
藍に白チェックのフリンジシャツから
さっきまで飲んでた ミントティーの香り





「 い… 行って来る…って 」