「 ―― ミコさんたち 遅いね 〜 」
頷くルウちゃんと二人で見上げた
丸くて黒い、壁掛け時計
終電タイムを過ぎ
むしろ店内は、賑やかさが増したけど
まだミコさんたちの姿はない
受付にいるオジイサンに近い店員さんが
イスに深く座りながら
ニコニコ、お客さんと話してたり
小さなテレビを、ボーッと見てたり
「 ルウちゃん! もう一回やろ! 」
「 うん!! 」
ルウちゃんと私も
だいぶビリヤードを覚えて
かなり楽しくなった頃
―――― 廊下の方から
バタバタ走る音とか
男の人たちの、怒鳴り合うみたいな声が
その和やかな空気を割る様に
急に響いて来たんだ


