雪 雪 雪 ―――――
クマと皆に"行ってきます"をして
三人で、笑いながら飛び出した空の下
テレビのチャンネルが全部
ニュース番組になる頃
その勢いは 激しくなった
廃墟の中 ビルとビル
こんなに人がいたのかと思わせる
チカチカした、たくさんの看板
その狭い隙間を渡るロープに
今はもう、洗濯物の影はない
たまに、ベニヤ板が敷いてある
雪に濡れた地面
床屋さんの、煤けた三色ポール
木枠の扉に、ガムテが貼ってあるガラス
そこから見える 小さな食堂
―――― 密集する 元、飲食店
建物の隙間から
白い湯気が モクモクとあがってて
今日はやっぱりトクベツな日なんだと
かなりドキドキドキドキ
外国の人も、日本の人も
かなりごちゃまぜな道
若いヒト、オトナ
オトナに連れられたコドモ
手の中に お小遣を握る
小学生位のコドモ達だけの集団 ―――
そんな皆が、タイムスリップしたみたいな街を
ガヤガヤと賑やかに、覗き込んでる
横を振り向くと ストールを巻いた
占い師みたいなお婆さん
インド系の
アクセサリー屋さんみたいになってて
置かれているのは タテ長の鏡 ――――
そこに 私が、うつってる


