暗い暗い闇のなか


小さな少女を抱えた少年が一人



あかとくろのなかに
ぼうっと佇んで

その金色の瞳から
ポタポタと零れる透明な雫



助けてあげたかった。


可哀想な彼女を。
不幸な彼女を。
怯え、壊すことしかできない
無力な彼女を。



しかし

人間を助ける術を
彼は知らなかった