「つか恋愛なんていつも


不安なもんじゃねーの?

俺はちょっと普通の恋愛


なんて分かんねーけど」


うん。


「まぁそーだよ。


フられるって分かってても


ギリギリまでは好きだから


付き合いたいって思う人


多いからね。ていうか


お兄ちゃんがハッキリ


しないし、百合さんのこと

大事にしないからっ!」


「はは。まぁ勇輝は


精一杯だと思うし!


あいつは気持ちを言葉で

伝えんの下手くそだしなー」

「それがカッコいいとか


何とか思ってんでしょ、

お兄ちゃんは。女の子は

言葉が欲しいっていうのに」

「う~ん、多分だけど


勇輝が『結婚』のこと


まで考えて話してたら


こんなことはならなかった

かもな。」


確かに…。でもそっか…

百合さんとお兄ちゃん


別れるんだ。なんか実感

わかないなぁ



――――――――――――――

*百合side


何か色々あった一週間だった

直人くんに言われて、


自分のほんとの気持ち


確かめて、勇輝のこと


考えて…きっとある意味


これは逃げてるんだと


思う。最後勇輝にフられる

のが怖いから…


色んな理由つけて、全部


ほんとだけど根本的なのは

それだよね?


自分で自分が嫌になるなぁ。

私の意気地無し!


ピンポーン


「あら、誰かしら?」


お母さんが出ようとする。

「あー奈美だよ!迎えに


来てくれたんだ♪」


「へー。挨拶しなきゃね!」

パタパタと玄関まで


かけてくお母さん。


もぅ!別にいいのに…


「奈美ちゃんー♪


久しぶりねぇ」


「あ、お久しぶりです」


「もう、お母さん急いで


るんだからどいてよ!」


「はいはい。この子を


よろしくね?」