「あ、私トイレー」


千香が言い出す。


「あ、奈美も行くー」


「はーい、行ってらー」


私はこういう、いわゆる

女子の連れしょんなんかは

行かない。だって行きたく

ないのに行くのはおかしい


じゃん?それに、行きたい

時は1人で行けばいいし。

「んじゃ、ちょっと」


2人はスタスタ歩いてく


ふぅ、人生って難しい


なあ。私これから先


勇輝以外の人に恋愛は


いらないや。ん、これって

私がちゃんとした恋愛が


初めてだからそう思うの?

んー分かんない。


「あれ、彼女可愛いね♪


ちょっと奢らしてくれないかな?」


「はぁ?あの、今日は


友だちと来てるんで…」

何だこいつ…もう終盤だぞ…?

「あはは、心の声漏れてる


漏れてる百合たん♪」


は!?


何で私の名前知って…


「あ、百合たんって言っちゃ

った。ごめんね百合ちゃん!

にしてもやっぱりきゃわたん

だなぁ…」


バチン!誰かがこの人を


殴った。何!?次から次へと…

「やだぁ、遼太くん~。


ちゃんと説明しなきゃ


百合さん困ってるぅ~」


へ!?この声は…


「梨央ちゃんっ!」


「ぁーぁーぅっさい…


…お久しぶりですぅ♪」

「いや、聞こえてるから」


相変わらず怖いな。


「もぅっ、百合さんったら!

…ほら、早く状況を説明


してよ。遼太くん」


「ほんと俺に容赦ないよ


ね、梨央たん…」


「…『たん』って


つけんな…」


うわ、怖っ!


「はいっ。で、あのね


百合ちゃん!」


遼太って人が焦る


「はぁ…」


「俺は勇輝のダチ」


えっ!?


「ヤンキーの!?」


「あ、違う違う。普通に。

学校で喋らないから分かん

ないって言われるんだけどね」

へぇ