「お前ら何やってんの?
一限サボる気?」
クスクス笑いながら話し
かけてくる勇輝。
えーい、タイミング悪い
んだよもうっ!
私がこんな選択をしたせいで
2人共勇輝に対してあんま
良い心境じゃないんだから…
「別にあんたに関係な」
千香が言い出すんを私が
遮る。
「もー、んなわけないじゃん。
勇輝じゃないんだし?
今から教室向かうとこ
だったの!あ、今助けて
くれてありがとねっ♪
ちょっと千香が朝から
機嫌悪いみたいで…」
千香がブチッとキレた
「テメェのせいだ」
またまた焦って遮る私。
「あー!こんな時間じゃんっ。
早く戻らなきゃ勇輝!」
「は、え?」
「授業出るんでしょ??
行こっ!」
「いや、ぇ、ちょ」
「ごめん。奈美、千香
先行くねー」
私は勇輝を引っ張って
廊下を走る。
「あんだよ、いきなり!
百合!?聞けよ?」
私はズンズン進む。
危ない…
*千香&奈美side
奈美がつぶやく
「行っちゃった…」
「ふん。あいつ賢いくせに
なんか抜けてるよね!
ほんとムカつく」
「え?あ、勇輝くん?」
「そう…てか見てよ。」
千香は真っ直ぐ廊下を
指差した。
「ん?」
「あれ、どーみても普通の
美男美女カップルじゃん…
何であの2人は別れなきゃ
なんないのかな?ほんとに
意味分かんないよ…」
ポロッと千香の目から
涙が落ちた。
「千香…。なんでだろね?
でも、私たちはきっと
百合を温かく見守るしか
出来ないと思う。百合は
あんな性格だし?…ほら
私たちも教室行こ?」
「グスッ…うん。」



