そして運命の日曜日。
スカートなんて持っていないので、浮かない程度に妥当なジーパンで原宿の駅で待っていた。
少し待つと、美季が改札から走ってきた。

「ごめん、待った?」
「いや、全然」

なんだかこれからデートするカップルのような会話をする。
美季は勿論スカート。
ふりっふりの。
化粧もして、髪も巻いて…女の私でも可愛いとか思ってしまう。
すると、突然、美季は顔をしかめた。

「どうかした?」
「持ち金いくら?」
「多めって言われたから3万…くらい」
「そんなもんだよね…よし行こう!!」

美季は私の腕を掴み、走り出した。
そりゃあもう歩いた。
片っ端から店を回り、あれやこれやと着せ替えられ、最終的にはトイレで化粧までした。
つ、疲れた。

「これでよし!!」

完成した姿を初めてみる。
なんだ、やればなかなか美人さんになるじゃないか!
…いや、今日限りかな…。
オシャレにこんな気力と体力を使ってられない。

「やっぱり可愛いじゃん!!」
「へへ、ありがとー」

やりきった美季は満面の笑みだが、私はげっそり。
でもかわいらしくするのもアリかな?
すると、私のお腹から音がなる。
もちろん可愛らしい音じゃなく、お腹が叫んでいるような音。

「そっか、もう6時半か!!」
「飯食わない?」
「こら!飯食わない?じゃなくてご飯食べない?でしょ!!」
「へへ、ごめんごめん」

手厳しい美季。
私、可愛らしくするの無理そう。
それから、私と美季は適当に夕食を済ませた。
美季はサラダとスパゲティ小盛りというなんともヘルシー夕食なのに対して、私はガッツリハンバーグステーキを頼んだ。
美季はため息をついて、棗らしいけどね、と笑った。
自分らしいのが一番ということでいいのだろうか。
私は自分らしい方が一番だ!