恋愛Ⅰ


 正門の近くには白い車が停められていた。

 車に背を預けるように寄りかかっている隼人さん。

 手には、ペットバトルが握られている。

 どこか遠くを見ていた瞳は、
 わたし達が来たとこに気がつくいた。

 「おかえり」
 
 「ただいま」

 『おかえり』は美咲に。

 『ただいま』は隼人さんに。

 向けられた言葉。

 わたしは、自然と胸に痛みを感じた。

 わたしに気がついた隼人さんは、
 「初めまして。隼人です」

 「こちらこそ初めまして、紅葉 凪と言います」

 「今日はホントにすみません」
 
 わたしは頭を下げた。

 隼人さんは、少し驚いたようだ。

 「気にしなくていいよ」

 「帰り道のスーパーにも寄るから」

 美咲、言ってくれてたんだ。

 声には出さなかったが、心の中は
 ありがとうの気持ちあった。

 ひと通りの挨拶を終え、車に乗った。