恋愛Ⅰ


 そして今、時計の針は2時前を指している。

 わたしは、なるべく物音を立てないよう
 気を、配りながら彼の寝ている部屋に来ている。

 食後に飲んだ薬が効いているのかグッスリ。

 起こさないように冷却シートを剥がし、
 新しい冷却シートに張り替えた。

 「うんん・・・」

 「ごめん、起こしちゃった?」

 「新しい冷却シートに代えただけだから寝ていいよ」

 って言われても覚めちゃったら寝るのは無理があるかな。

 「水」

 「水?」

 「ちょっと待ってて」
 
 わたしは慌てて、キッチンへ水を汲みに行った。

 「はい、水」

 手渡すと、アッという間にコップの水がなくなった。

 よっぽど喉が渇いていたんだと思う。

 「なぁ、名前なんて言うんだ」

 名前?そう言えばこの人の名前、知らないし
 言ってない。

 「普通、聞いた方から名乗るものだと思うんですけど」

 「神堂 悠夜」
 
 めずらしッ!
 言うこと聞くなんて。

 「紅葉 凪です」