空の深い青が眩しい今日、面相なことに仕事をしている。


 聖女サマが祭典の祝辞を述べている間にも、反教祖の連中は湧いてくる。
そんなヤツから聖女サマをお護りするのがわたしの仕事らしい。

しないから関係ないんだけどねぇ。


「おー、すごいすごい。」


 パチパチと生真面目な騎士に軽い拍手を送る。
聖女サマに害意のある人間をもう5人は打ちのめしていた。

 たった今地面にふされていた男を警備員に連れて行けと指示を出す。


「本当に何もしないつもりか、守護騎士。」

「その呼び方やめてよ。お前とか君とかの方がまだマシ。」


 目も向けずにそう言うと、彼は不機嫌そうにまゆを寄せた。
守護しない守護騎士なんて名前負けもいいところだ。


「真宵、」

「おぉビックリした。名前覚えていたんだねぇ。」

「聖女様に怪我でもさせてみろ、俺が許さない。」


 じゃぁそうならないように君が頑張ればいいよ。

そう言えば、いっそう不快そうに眉を寄せた。
まぁおちょくるようなわたしの態度が気に食わないんだろうけど。

「さて、じゃぁそろそろ長ったらしい祝辞の述べも終わりだ。

 迎えに行こうじゃないか、大切な大切な聖女サマをさ。」