「わたしは闘えないよ、弱いからね。」


 ヒラヒラと顔の横でわざとらしく手をふる。
どこまでも胡散臭いわたしを、彼らが受け入れてくれるとは思っていない。

そこまでおめでたいアタマでもないしね。

しかも異世界人ときた。
騎士の癖にたたかえないと言うし、あぁホント損な立ち回り。
我ながら本当哀れだよね。


「聖女様。本当にこの者であっているのですか?」

「えぇ、彼女こそが私の守護騎士です。」


 そう美しい聖女様に問うのは生真面目そうな騎士。

 あーぁそんな疑わしそうな目でみないでよ。
鬱陶しいからさ。

せぇっかく整った顔が台無しだよぉ? なんてね。
まぁ戦えないのに、どうやって護るんだよって話しだよねぇ。

そう喚ばれる前に言ったら、彼女はきょとんとした顔で言ってのけた。


『あなたは、戦えないんじゃなくて戦わないだけでしょう?』



 じゃぁどうして呼んだの?
戦わないって知ってるくせにさ。