あの日から、私と長谷川くんは私のバイト先でも会うことは珍しくなった。
私の方は、一応受験生の私を気遣い、店長が新しいバイトを雇ったことで、今まで週に5回通っていたものが1~2回になって。
彼も、それぞれの部活で3年生が最後の夏を前に追い込みに入ったことで、合宿やら練習試合なんかが激増していて。
…だから、その日からというと語弊があるかもしれない。私の思い違いかもしれない。
でも、確実に私と彼はどこか遠慮がちに言葉を交わし、必要最低限のやり取りしかしなくなった。
…何より、彼の照れたような笑顔も、子供みたいに笑う顔も見なくなった。
……視線すら、なぜかかみ合わずにぎこちなくすれ違う。
