「あ、私は全然!久しぶりにあった友達でしょ?気にしないで。」
困っている理由は別のものだったけれど、そんな私に気付いてくれたことにやっぱり嬉しくなって頬が緩み、笑顔でゆりちゃんに笑いかける。
「あ、ごめんなさいっ。私ったら、気が付かないで…。」
顔を真っ赤にさせて頭を下げ、長谷川くんの横にちょこんと並ぶ彼女。
並ぶ二人は想像したとおりお似合いで、もう何年もそうやって並んでいるかのように馴染んでいる。
「そういう奴だよな、お前。…ごめんね、理央。ほったらかして。」
一瞬、長谷川くんを睨んだかのように見えた義人、でも私に向けた顔も言葉もいつものように甘い。
見間違いだったかな、と慌てて変な考えを打ち消す。
