長谷川くん…彼女いたんだ。
そりゃあこの容姿だもんね、いないほうが不思議か。
無愛想でも彼女には違うのかもしれないし。
で
も、あんなに頻繁にDVD借りに来て、しかも陸上部で、彼女のために費やす時間なんてなさそうに見えたから。
…勝手に、いないと思ってた。
…それは、もしかしたら私の願望だったのかもしれなくて。
無意識に変な期待を持っていた自分に気付かされて、恥ずかしくて、みっともなくて俯いたまま顔が上げられない。
彼の顔を…見ることできない。
「なあ、もう行こうぜ。…こいつ困ってるし。」
おそらく私のために発してくれたであろう彼の言葉に顔を上げると、ムッとしたような義人と目をパチパチ瞬かせるゆりちゃん。
