忘れてしまおうと思っていた他人カテゴリの長谷川くんだけど、その再会はごく当たり前にやってきた。
「いらっしゃいませ~。」
定休日明けのバイト先。
借りていったものは返されるわけで。
意識をしてみれば、長谷川くんはその長身と容姿ですごく目立つ存在で、店内にいる他のお客さんたちの視線も自然と集めてしまっている。
DVDが入ったレンタル袋を無言で私に差し出している彼は、何てことない白いTシャツにパーカをはおり、スウェットのズボンを履いただけのラフな格好だったけれど、その容姿はより一層引き立って見える。
「はい。ご返却ありがとうございます。」
中を確認し、何も言わない彼に営業スマイルで微笑む。
そんな私には目もくれず、ふらっと踵を返す彼。
