そうだよね。 何もないとはいえ、他の男の子の名前を口にして義人が面白いわけがない。 別にどうでもいい男のことで、また義人の機嫌を損ねたらそれこそ面倒くさい。 あの無愛想な男のことを知っても知らなくてもどうせ関係ないし。 「その人、気になるんだ?」 目の前の真尋の、今度は挑戦的な煽るような目。 義人の心配性には常日頃から呆れ顔のこの人。 自分のことじゃないのにホントにうっとうしそうな目で彼を見る。 だからきっと、これでこじれちゃっても面白いって思ってるはず。