「…直、大好き。」
以前に比べるととても饒舌な直がとても愛しくて、触れることのできなかったその頬に手を添える。
「忘れられなくて、よかった…。私はもう、忘れることを諦めてたから。」
少し驚いた表情を見せてから、ふふっとその表情を崩す。
正門から離れて人通りは少なくなったといえども、そこは右も左も学生だらけの大学構内で…。
「……どうして理央じゃなきゃだめだったんだろうな。」
「……だね。」
笑いながらって……ほんと失礼な発言だけど、肯定するしかない。
遠慮がちにだけれども抱きあう私たちはやっぱり注目を浴びているようだけれど。
…もしも明日、優華ちゃんに問い詰められたら、直が外国かぶれちゃったとでも言い訳しよう。
