ほんのり芽吹き始めた桜並木を見上げながら、目の前に見えてきた正門に足を進める。
授業を終えた学生でごった返すそこは、所謂ナンパ橋ならぬナンパ門で、何かしらの勧誘?につかまることが多い。
そうは言っても私が独りで通り過ぎる分には何の障害もなく、端々で繰り広げられるナンパ合戦を横目に、正門までの道のど真ん中を歩く。
そんな中、その人混みの中でいつもとは違う風景を目にして、私の速度もややゆっくりとなる。
普段はいくらなんでも道の真ん中じゃナンパの攻防は行われてなくて、通行の妨げにならないように通路沿いのベンチや綺麗に手入れされている花壇の傍で行われているのに。
門の前に女の子の団体が陣取っていて、その所為で門をくぐりぬける道が大幅に狭められている。
