どうして好きなんだろう


あの夏の、花火で火傷をさせてしまったことを今更ながら謝れば、『あんなの、風吹いただけなのにね。赤くもならなかったよ?』と笑って手を見せてくれた。

そして、『あの時は直くんを盗られそうで、すごく焦っていた。』とも。


『直くんはずっとなぜか皆から遠巻きにされててね。女の子で唯一話すのは幼馴染の私だけだったから…。ずっと好きだって言った私を、拒めなかっただけなんだよ。』って懐かしむように話すゆりちゃんに、遠巻きにされていたのは直から聞いたって言ったら、大きい目を真ん丸にして驚いてたっけ。