どうして好きなんだろう


そうだよね、今はまるでデートで映画館に来ているようなこの状況を素直に楽しみたい。

そんな思いもよぎって改めて映画に見入っていると、同じ場面でふっと笑いが零れて直と目が合う。

それは、想像していたものとは違って、 少しのドキドキでとても自然に微笑み合える。

傍からみれば、義人の彼女と義人の親友がこんなところで肩を並べているなんて多分きっとミスマッチで、これは確信だけれど義人が見たらいくらなんでも許さない。

でも私の聴覚は映像の音だけを捉えていて、視覚は直と画面だけに注がれている。

自分の息遣いさえヘッドホンに遮られてはっきり聞こえない状態に世界に直と二人だけのような感覚に陥る。