どうして好きなんだろう


その時、ポケットに手を入れたまま直がふと周りを見回して、私と視線がぶつかると動きを止める。

一瞬逸らしかけてまた戻り揺れる瞳。

こうして視線が合うのはいつぶりだろう…心臓がドンドンと前に飛び出るくらい打って、顔が火照ってくるのが自分でもわかる。

なぜだか逃げ出したくて視線を逸らそうとするのに地面に足がめり込んだみたいに動いてくれない。

静まれ、静まれと願う私の思いとは裏腹にどんどん熱くなる顔と体に限界が訪れそうになるけれど、一瞬思案したような直がこっちに向かって手招きする。

わ、わたし?と自分の顔を指差す私に直はうんうんと首を縦に振る。