「へん?」
「あいつさ、硬派で女なんて寄せ付けなかっただろ?でもさ、やたら女と一緒にいるとこを目撃されててさ。」
小首を傾げながらお弁当を食べ続ける義人とは反対に、私の箸は止まったままで。
…直と、ゆりちゃんが別れて、直はほかの女の子と一緒にいるって…。
「それって、新しい彼女ってこと…じゃないの?」
忘れていた胸の痛みがチクチクとよみがえる。
ずっと考えないように、思い出さないようにしていたのに…なんでこんな一瞬で思い出せるの?
胸の痛みは少しも軽くなってはいなくて、新しい彼女と寄り添う直が容易に脳裏に浮かぶ。
「いや、それが違うらしいんだよ。毎回違う女の子連れてるって。それ聞いてすぐに直のこと問い詰めたんだけどさ、『お前には関係ない』ってよ。そんな返事で納得できるかって一発殴りかけて、他の奴らに止められたとこ。」
「…って、今?」
「そう、さっきの休み時間。ま、今晩でもあいつん家行ってくるわ。」
