それでも、私はあなたについて行く

大晦日

夫の拓ちゃんの実家で知り合いもたくさん来てお酒を飲みながら、楽しく過ごしていた
「いや~、拓真も幸せもんじゃ~。こんな可愛い奥さんと娘さんを持っとって」
「ほんまじゃ~、あの拓真がちゃんと仕事しとるゆうし、これも結友ちゃんのおかげでな~」
「どういう意味やねん。おっちゃんこそ嫁さんの尻に敷かれとるが!」
どっと笑いがおこる
「ママ、由那ねむい、、、」
今の時刻は11時45分。
そろそろ由那を寝させなければ、、、
「そうだね。由那、お寝んねしようか!」
私は拓ちゃんに言って由那を寝付かせにいった

由那を寝付かせにいって帰ってくると、まだ盛り上がっていた
時計が12時をうった
「あけましておめでとう。今年もよろしくな、結友ちゃん」
「こちらこそ、よろしくお願いします。お義母さん。」
宴会がまだまだ長く続きそうだった
「あ、そうそうみんな聞いて!」
拓ちゃんが少し大きい声で言った
「どうした?拓真。いきなりなんや?」
みんなが笑いながら拓ちゃんを見ている
拓ちゃんは平気な顔をして続けた
「言わないけんと思ったけん、言うけど

俺ガンになった」
全ての音が消えたような気がした
「余命1年だって」
笑いながら喋る拓ちゃんが遠い人のように思えた