春。
それは、出会いの季節。
それは、間違いの季節。
僕、遠吏屋 幸〈トオリヤ タツ〉今日から高校生。
真新しい制服に腕を通しネクタイを上手く結べないけど頑張って結んで、バックに今日、必要な筆箱・眼鏡ケース・ファイルなど必要そうな物を入れる。
そして髪をくしゃくしゃにして笑う練習。
そんなこんなしてると‥‥
(幸~朝ご飯できてるから、速く食べに来て。)
と、母の緩い声が階段の下から聞こえてきた。
「はぁーい。」
と、元気にルンルン気分で答えバックをもって階段を降りる。
「あら!制服似合ってるじゃない。あ!でも、ネクタイ。」
そう、いい浮かれてる母。
ネクタイを直してくれた。
僕が上手に結べなかったネクタイをいとも簡単に結んでくれた。
よしっ!と、いって僕の背中を押し椅子の前まで連れてくる。
そして、全員揃っていただきますの挨拶。