「いつまで、俺等を待たせる気だよ!!」 ブツブツと扉越しに聞こえる翔の文句。 俺は、慌てて凛にウイッグと眼鏡をかけ元通りにした。 きっと、あいつ等が凛の素顔を見たら惚れてしまうから。 俺だけが、知っていたかったんだ……。 「…もういい。」 バタンと、直ぐに扉が勢い良く開かれる。