「アンタは、何の為に凛蝶を探す?」 やっと、女が口を開いたかと思えばそんな言葉が出てきた。 「あの人に会って、一度で良いから礼を言いてえ。……蝶の様に舞うあの人を一度で良いからまた、見たい。あの人は…俺を救ってくれた、強い人なんだよ…。」 「……フフッ。」 真面目に言ったつもりなのに、何故か笑われ腹が立つ。 「…強くない。」 「あ゛?」