ギュウウウウ…
力也翔の手を強く、握り締める。
私、握力50あるんで…見くびらないで頂きたい。
力也翔の整った顔の眉間に皺が寄せられる。
頑張ってる、がんばってる。
私は、更に力を強くする。
「…~っ!」
驚いた表情で顔を赤くさせて、私を見る。
でも、まだ一度も根を上げないなんて結構やるじゃない。
「…っ!!わーかったよっ!やる!メロンパンはお前の物だ!」
私は、パッと手を離しメロンパンゲットに成功した。
呆然としていた購買部の叔母さんに100円玉を渡し、屋上へ向かった。
「さんきゅー」
私は、さっきのこと何て無かったかの様に平然と礼を力也翔に言った。



