彼は不思議な人だった。 皆が帰ってしまっても一人だけ、私のベッドに残ってくれて沢山の話を聞かせてくれた。 彼の奥さんは私と何だか似ているらしい。 「で、で?」 「ん、暴れてるとこ抑えこんでー…」 只のノロケ話なのに、とてもドキドキしながら私は話を聞いていた。 「羨ましいな。」 こんなイケメンの仁さんに愛されてる奥さんはきっと世界一の幸せ者なんだろう。と、奥さん像を勝手に想像していた。 「羨ましい……、か。」 ボソリと呟いたその寂しさを含む声には一生、気付くことなんて無かった。