「手、繋ごうか。」
「はい。」
氷の様な私の冷たい手を、卓也は嬉しそうに自分の手を重ねた。
「こういうのして見たかったんや~!」
その言葉を聞いて、疑問が浮かび上がった。
私達、付き合って結婚までしているというのに手を繋いだことが一度も無かったのだろうか?…と。
でも、卓也があまりにも嬉しそうに笑うのでそんな事なんて直ぐに忘れてしまった。
プラネタリウムに着く。
蘭と来た以来、訪れた事が無かったのでかなり久しぶり。
「だる……。」
私の体は思った以上に体力が無くなっているらしい。
「大丈夫か?……やっぱ無茶させすぎちゃったかなあ…。」
「……?」
「何でも無い無い!とりあえず座ろうか。」
プラネタリウムのフカフカの椅子に座らされた。



