「凛、今日デートやて言わんかったっけ?」
「へ?」
「俺達、結婚してるんよ。凛のお腹の中には俺達の赤ちゃんが居るんや。」
結婚?赤ちゃん?
理解に苦しむ言葉がいきなり沢山入ってきたので処理に時間がかかる。
「凛は色々あって入院してるんや。クスリの副作用か何かで多分、記憶が無くなってるんやないかな?」
「そう……」
私はその事実を受け止める事にした。
「じゃあ、はよ着替えて出掛けようや~。」
「わかった。」
「凛は、ええ子やなあ……」
卓也が、ニヤリと笑っていたなんてそんな事何も知らなかった。
喉の奥で何かがつっかえる。
気持ち悪い……、
ポンポンと胸を軽く叩いてみても、そのつっかえが取れることなんて無かった。



