ツンッ 誰かに服の裾を掴まれ、俺も足を止める。 「…?」 不思議に思い、後ろを振り向いても誰もいなくて、下に視線を向ける。 「…誰?」 俺の裾を引っ張る正体はどうやら幼い男の子。 「お兄ちゃん…ちょっと、来て…」 男の子は、俺を凛の部屋の隣部屋に導く。 「咲也ぁ、どないしたん?」 部屋の置くから聞こえる関西弁。 カーテンで仕切られたそこからは声しか聞こえない。