「ふ…ざ…け…ん…ハァ…な…」 凛の表情は険しくなり、息も荒くなる。 「ちょっと、アンタも出てってくれないかな?…あと、哲さんも美殊さんも…すいませんけど…」 「あ…あぁ…」 動揺を隠せない俺に目で行くぞと、理事長に視線を送られ渋々俺も部屋を退室する。 "じ…ん…" そう、俺の呼ぶ声が聞こえた気がした。 でも、ドア越に聞こえる凛の声はとても苦しそうなうめき声だけだった。 重い空気の中、俺達は廊下を歩き出す。