凜は強く、強く、俺の胸板を押し返す。 重なり合っていた唇が必然的に離れ、さっきまで感じていた氷の様な冷たさは直ぐに無い。 つー‥と、凜の唇の輪郭に沿って手を這わす。 「冷たい。」 熱はもう既に冷めていて、冷たさが戻りつつあった。 「皆、私と一緒に死ねば幸せなのにね。」 凜は本当に幸せそうに言った。 そんな凜の瞳を見ることは出来なかった。 「んでだよ……。」 翔…? 突然口を開いたのは、今まで静かに見守っていた筈の翔で。 ヤバイ。 そう、思った時には。