「ちゃんと、向き合えよ。」 理事長は何故かとても苦しそうな表情で俺たちに告げ、ドアを開けた。 「…ッ、痛い…よ、流羽…放してよ…」 俺達の目の前に移る凜は初めて出会ったとき…いや、それ以上に哀しい瞳をしていた。 流羽という男は凛をベッドに押さえ込んでいた。 「無理、凛放したら何するかわかんない。」 「何言ってんの?早く放してくんない?」 今俺の瞳に移る凛は凛の皮を被った、悪魔。 そう自分に言い聞かせたかった。 「死ね。」 凛が、そんなこと言うはず無いって 自分に言い聞かせたかった。