ドアの前に人影が見えた。 「仁…?」 そんな筈も無いのに、その名前を呼んでみた。 「…凛ちゃん、何処か痛いの?」 ドアの前に立っていたのは、咲也くんの様だった。 「咲也くん…」 咲也くんは、私に近付いてきてベッドの中に潜り込んだ。 「何処が、痛いの?」 「心、が痛いな。」 そう言うと咲也くんは一生懸命言った。