ツン(デレ)ツンな市岡くん

何をするでもなく、真っ直ぐ家に帰るのは嫌だったから少し遠回りして帰ることにした。


道なりに足を進めていると、コンビニがあったので中に入ることにした。


中に入ると高めの電子音が店内に鳴り渡り、店員があたしに業務的な挨拶をしてくる。


今日発売の雑誌あったっけ?


雑誌のコーナーに行くと、小太りのいかにも中年!!って感じの人と小学生が2.3人グラビア誌を見ている。


小学生だからこそ微笑ましく思えたけど、これがあそこのオジサンなら引いただろう。


それでも小学生が見るものでないことに変わりはない。


あたしは一向に注意する気配を見せない店員の代わりに、小学生達の後ろに立った。


「僕たちーこれは大人が見るものだよ?君達には5年早い」


「あっ、何すんだよオバサン!!」

「俺らが何見てよーがアンタには関係ないじゃん!!」

「オバサンがコレ見たいんだろ!!変態!!」


随分な言われようだ。


あたしは高校生…高校生…。


暗示をかけて殴り倒したい衝動を無理矢理抑える。


「あたしは高校生なんだからオバサンじゃないよ。それにそんな雑誌はね、あそこにいる太ったオッサンが見るものだよ?

太りたいの?太ったら殺されちゃうよ?」


隣で脂ぎった視線を感じるけどスルー。


小学生達は動揺しながらも雑誌を元の場所に戻そうとしない。


「でもっ、あっこのオッサンは死んでないぞ!!俺たちよりえっちな本見てるのに!!」


確かに、正論だ。


「あのね?あそこのオッサンは殺されちゃう前に最期の思い出に見てるんだよ?これ以上ソレ持ってたらお巡りさんのピストルで撃たれるよ。いいの?」


我ながら素晴らしい説得だと思う。


その証拠に小学生達は半泣きになりながら店から出て行った。


ああ…これが達成感というものなのね…。