言われた通り恐る恐る顔を上げると心臓に電気が走ったような気がした 自分の事を嫌ってやまない継母が選ぶ人なんて、40代くらいのおじさんだと思っていたのに… 初めて顔を上げて前を見据えると、艶のある黒髪に吸い込まれそうなブラウンの瞳で180㎝は軽く越えそうな高い身長に均整のとれた身体…例えるならば何処の宮殿の王様の様な男の人が自分に微笑みかけていた 「どうかなさいましたか?」 「…いいえっ!」 「少しお疲れのようですから、二人でお散歩でもいかがですか?」 「はいっ」