王子様とお姫様








「もしかして保険の先生?」



私は陽斗さんに聞く。



「なんで知ってんのー!?」



陽斗は驚いてバックミラーを見た。

目が合って少しドキッとする。



「あ、友達が…話してて」

「ふぅ~ん」



あれ…?


なんだか陽斗の様子がおかしい。

私なんか変な事言っちゃったかな?




「知られたくなかったなぁ~?」



ボソッと呟いた陽斗の声はよく聞こえなくて、



「え、なに?」


と聞き返した。


陽斗は少し速度を落として振り向く。



「美織可愛いー!!」



って笑った。